発売日から二日遅れでレビュー。忘れたわけではないけれど、感想文を書く気力があるかは別問題である。
5巻からの続き。魔物の活発化に備え、火薬作りを始めます。原料は💩。ドリフターズ以来の定番ネタでしょうか。異世界に火器を持ち込む話は昭和の頃からあったものの、💩から始めるというのは21世紀になってから流行った気がします。お前が知らないだけだろとか言ってはいけない。
火薬作りとは対照的に、火縄銃作りは1コマで済まされます。ドワーフとかいうファンタジー界の便利キャラ。火縄銃って1発しか撃てないくせにやたら複雑なんですよね。人類初の銃は中国で生まれたわけですが、その後の改良型は現代に至るまで西洋が東洋を圧倒しています。たかだか1発撃つために、部品点数を10倍増やそうなんて発想が東洋人には出来なかったわけです。日本人に至っては火薬の存在を知っていながら、銃を作ろうというアイディア自体が生れませんでした。人種の差を感じずにはいられない。

そしてライラに銃の魅力を伝える主人公。弓と違って筋トレが不要だとか、弾速が早いから弩よりも狙いやすいとかいろいろ言われますけど、最大の魅力は貫通力にあります。火縄銃相手では従来型の防御手段が意味を成さず、歩兵は甲冑の装着を諦め騎兵も全甲冑から半甲冑へと変化し、人を殺すことがより容易となっていきました。同じく扱い易いとされるクロスボウではここまでの戦術変化は起こらず、火縄銃の貫通力が歴史に与えた影響を証明してくれています。このことに主人公を含めた全員が懸念を示すという流れは、ドリフターズと違うとこですね。戦争ばかりやってた国と、長年平和だった国との違いが伝わりますな。

ついでに迫撃砲も作ります。やたら近代的なのはさて置き、この大砲は射程が短い代わりに腔圧が低いというメリットがあり、中世程度の冶金レベルでも榴弾を制作することが出来ます。まあ近世後半並みの技術力を持つこの異世界なら100ポンド級の榴弾砲も造れるはずなので、今回迫撃砲を作ったのは機動力を重視した結果でしょうか。こうなると自走砲も欲しくなってくるね。(早口)

主人公が外科手術やら武器作りやらをしてる間に、教えてもらった現代知識でいろいろ造っている異世界人たち。限りなく近代に近い近世になってきました。あとは熱機関を作るだけ。ドクターストーンみたいな感じで作るのかなと思っていたら…