
今回はゴブリン&オーク退治。異世界で100回くらい見た展開と言いたいとこだけど、オークとゴブリンが一緒に襲ってくるのは意外と少ないかも。村を救うために、隣町からここまで走ってきたらしい。ヒナコへのG負荷が気になってきます(空想科学読本を思い浮かべながら)。

偶然居合わせたであろう同郷のオタク君(仮)と共に邀撃。この異世界では魔族と人族が戦争をしており、意味もなく辺境の村を襲うとは考え難いので、この村が襲われたのはオタク君を狙ったせいなんじゃ、と思ってしまうのは俺氏が捻くれているからさ。作中でそんな描写は一切ないですはい。数は多かったものの、戦闘自体は苦戦することもなく無傷で勝利。オークとゴブリンは雑魚モンスターってハッキシしてんだね。

戦闘終了後オタク君に媚びまくる村人たち。チート無しのヒナコはともかくめちゃ強のエイリスをスルーなのはどうなんよと思いましたけど、6話を読んだ後だとオタク君を嵌める目的で媚びてるように見えてきました。オタク君の後日談が読みたくなってきます。

その後オタク君との会話でお嬢様っぷりを発揮するヒナコ。ニコニコ静画のコメント欄で、急にあざとくなったなこいつと言われてて吹いた。俺氏もそう思います。同じくお嬢様のジュンコはその辺詳しそうだったので、プロレタリアな俺氏はヒナコよりジュンコの方に親近感が沸きますな。決別したのはこの辺も理由の一つなのかもしれませぬ。

オタク君から現世で死んだ理由を問われてから怒涛のシリアス展開。ジュンコを殺したことを悔いる描写は、この後も度々入ります。同性愛は鞭打ち100回で許されるそうですけど、殺人は神より私戦権を授けられた上級国民のみに許された行為ですからね。一般国民が自分の判断で勝手に殺してはいかんのです。ちなみに犯罪者は人間じゃないので、殺しても殺人には該当しないそうですよ。更に村落防衛のために、よそ者を捨て駒として使っていたことが判明。気分良く俺TUEEEできない異世界っすなあ。

一人だけ知らなかったオタク君はそのことに反発します。もっとも、このよそ者たちは訳ありの人間ばかり。地球の歴史を振り返ってみると村長の対応の方が普通なんですよね。従軍すれば市民権あげるよ、という制度がアメリカで非人道的と批判され廃止になったのが21世紀になってから。神の名の下平等を説いた宗教観においても戒律を守らない者は人間ではないと定義し、奴隷や二級市民として扱っても問題ないとされてきました。そんなのは間違っているという主張は遅くともルネサンス運動の頃から存在していましたが、なかなか広まらなかったのはひとえに生産性の低さであり、奴隷階級がいてくれないと社会が成り立たなかったため、長らく差別容認社会が続いていくことになります。これを変えたのが農地改良に伴う人口増加に連動した民主化運動と熱機関を原動力とした産業革命で、奴隷に頼らなくても成り立つ社会が出来上がるとようやく人類皆平等の考えが広まっていくことになります。それが当たり前な環境で育ってきたオタク君に、村長の考えを理解するのは難しいことでしょう。

それはヒナコとそれに感化されたエイリスも同じなわけで、現代倫理観無双をぶちかまします。中世以下の人権意識が低い異世界人を、現代の高度な倫理観でぶっ叩く一方的論破力…!正直言って村長に同情してしまいますが、チートに頼る以上現代日本人に合せて貰う必要があります。村長はどうすればよかったのか現代倫理観を基準に考えてみますと、このよそ者たちを中途半端に受け入れずさっさと追い返すのが正しかったということになります。日本の入国管理局並みに厳しい対応をとっていれば、オタク君もヒナコも不快な思いをすることはなかったでしょう。見えないとこで野垂れ死んでくれれば、現代人の良心は痛まないのです。平等と弱者救済を叫びながら、助けを求めてきた外国人を平気で追い返せる国粋主義というのはとても便利な論法ですので、村長も是非見習って頂きたい。