
肝心の本筋はといいますと、ご都合展開全開で現代知識無双するやつ。正直言って内容は浅いです。。しかしながらこの作品の良いところは、現代知識の密度が高いという点。他作品の現代知識披露は100話あったらせいぜい数話程度ですが、本作品は最後まで現代知識を使用した製品の発明作業に勤しんでくれます。ここまで頑張っている異世界系漫画は、これと織津江大志の異世界クリ娘サバイバル日誌(28話現在)くらいじゃないですかね。あっちの作品も完結したらレビューしようかなと思案中(必ず書くとは言ってない)。退屈に感じてしまう人は多いかもしれませんが、俺は好き。

主人公は発明系ユーチューバー・ショウ。トラックに轢かれるのかなと思ったけれど、特に理由もなく異世界転移。有志の調べによると、異世界への転生転移方法は詳細不明が一番多いんだとか。免許停止になったトラック運転手がいなくてよかった。そしてヒロインというか、保護者ポジなルビアに介抱されるとこから本編スタート。

この異世界には魔法があるものの、スタータス画面は無いらしい。魔法を使うためには、発想力が大切となります。なろうが流行る前はステータスオープンなんてしないのが当たり前でしたけど、コマンド操作じゃないと考え事中に魔法が暴発して危険なんじゃと思う俺氏であった。

工学だけでなく料理にも精通している主人公。現代にはレシピサイトがありますからねえ。やる気と暇さえあれば、大抵の料理は作れてしまいます。インターネットってすげーよやっぱ。異世界おじさんという作品で中学生が自転車のパンク修理を行い驚く話がありますけど、あれは昭和生まれじゃないと何故驚いたのか理解できないでしょうねうnうn。

そしてライラ(とルビア)にチョコを食わす。固形チョコの歴史って意外と新しいんですよね。抽出の概念が無いと作ることが出来ない、高度な料理であります。そもそもカカオってめっちゃ苦いですし、最初に商品化しようと思った人はなかなかのチャレンジャーだ。

続いて竹製の手押しポンプを披露し城勤めが決定。展開が早くてイイね。つーかガチャポンプ云々よりも、加工精度の方が凄いなこれ。パッキンはどうしたのかなと思ったけれど、水密が不十分なパッキンでも戦闘機を飛ばせちゃうのだから、なんとかなるのであろう。

登城途中に乗り心地の悪さを感じ、板バネを提唱する主人公。隙あらば現代知識!バネ自体の歴史は古いにもかかわらず、乗り物への採用はなかなか行われませんでした。これは耐久性の問題であり、新しいアイディアを実用化するためには冶金技術の発展が不可欠という好例でありましょうか。1巻では触れられていないものの、本作品でも冶金の重要性を示す話が後から出てきますのでちょっと待ってて。
玉木彦助
玉木彦助
王異
王異