
主人公は辺境伯令嬢であるアリシア。幼い頃に見た戦闘機に感銘を受け、パイロットを目指すところから物語が始まります。封建制が残ったまま戦間期のような航空機が飛び交うという、他では見られない世界観です。ガンパレードマーチの日本は江戸幕府が存続したまま太平洋戦争を迎えたそうなので、それに近い感じなのかなと勝手に納得している。

1話目の時点で既にアラート任務へ就いており、夢を叶えることが出来たようです。但し真っ当な方法ではなくコネ入隊なようで、男らしく振舞わなければならないことに不満をもっているご様子。理由は違えど日本でも平成になるまで女は戦闘機に乗れませんでした。女さんは気絶しやすいとかパニックを起こしやすいとか、女性でも問題ないことがはっきりしている令和の知識で考えたら普通に男女差別ですね。同僚は特別扱いをやっかむことなくむしろ主人公の力量を認めており、特別扱いして貰いながらフキハラ染みた反応をする主人公の精神的な未熟さが際立ちます。まあこれ以外の部分は至って常識人ではありますがね。

この日もいつものように出撃したものの、今回は敵の新型戦闘機に加えドラゴンとも戦うことになりました。主人公補正の効果も虚しく撃墜されてしまいます。うわあつよい。BVRミサイルが無いとつらそうな相手です。

その後捕虜になってしまった主人公。もっとも相手が正規軍ではなく雇われの空賊ということで規律はかなり緩い模様。拘束されることもなく勧誘まで受けています。人間以外のメンバーも混じっており、ここにきてファンタジー感が強くなってきました。

一方その頃空賊と交戦中の同僚たち。主人公のためにも奮戦した結果、敵に利用されてしまい隣国との戦争を誘発したところで第1巻が終わりました。典型的な偽旗作戦ですので今回の件を回避できてもそのうち戦争になったでしょうけどね。
2巻以降は正規軍同士の本格的な戦いが期待できそうな流れで次巻未定のまま打ち切りENDです。悲しいなあ。同じ打ち切りでも出版社で対応が異なりますね。読者視点だと猶予を持たせずいきなり終わるのは酷いと思うけど、作者さんからすると切られるのがわかってて描く方が辛いのだから、その必要が無いこういう終わらせ方の方が気楽なのかなと思ったりもする。