
wowsbの入手艦感想が一段落し、何度でもお前を追放するの更新間隔も伸びまくり暇なので新しい作品のレビューを始動。序盤はありふれた内容でざまぁだけ見ておくかと原作を読んでみたら、復讐が始まってからの加害者側描写が丁寧且つ共感できる点が多く一気に引き込まれました。そんな連中に同情することなくきっちり殺していく主人公も良き。全部読んだあとに序盤を読み返すと印象が大きく変わるので、原作を読んでから漫画版を見ることをおすすめします。

主人公は勇者パーティーに所属する回復術士サマラ。ヤリチンながらもこの時点の勇者ナッシュは身を挺して仲間を守る好青年であると描かれております。最初読んだ時は外ヅラのためかなと思っていましたが、全部読んだ後だと勇者が主人公をかけがえのない仲間だと言ったのは本心だったんだろうなと感じました。主人公もそんな勇者を好意的に評価しており良好な関係を築いている、と思っていたのは主人公だけだったのが悲しい。

1話目の夜に勇者は主人公の体を求めます。しかし回復術士としての能力を失うことを嫌った主人公に拒絶され激昂し殺してしまうわけですが、ここに至る経緯も決して短絡的なものではなかったことが後に明らかとなります。ネタバレした方が理解度が高まると思うので書いちゃいますけど、こうなったのは主人公の空気を読む力が低かったことに起因する面が大きかったのです(作中ではそこまで言及しておらず個人の感想を多分に含む)。勇者は自身が弱い頃から一緒に戦ってくれた主人公のことが仲間の中で一番好きでした。その時よりも強くなり実入りも良くなったのだから主人公は自分のことをもっと好きになってくれる、と考えていたのでしょう。ところが主人公の態度は弱かった時の頃から変わりません。今までと同じように好いてはくれているんですけど、それ以上進展しなかったのです。気を引こうといろいろ頑張りましたが相変わらずで、次第に不満を募らせその結果が今回の出来事になった。っと脳内補完しております。誰にでも平等に接するのは美徳だけれど、特別扱いされたらそれ相応の態度を取らなきゃダメなのよね。もちろん気に入らないから殺すという行動をとった勇者が悪いのは間違いありません。けれども、お互いもう少しコミュ力があれば防げたと思うと悲哀を感じます。そして主人公の低コミュ力は他の仲間に対しても発揮されており…2話へ続きます。