
それとは対照的な周辺領。冷夏と洪水に苦しめられているようです。この頃の地球は小氷河期による天候不順が常態化し、乱世へ突入した一つの原因とも言われております(センゴク知識)。そんな時代でおおっぴらに農業チートを使ったら襲われるのは当然の成り行きなのです。

どうもそのことを想定していなかった主人公さん。襲撃自体は察知したものの、万全とは言えない状態で略奪者たちを迎え撃つことになります。軍人ではなく商人なので大目に見てほしい。まあ現実でも領民を全て守るというのは不可能であり、守るより敵の拠点を叩くことや奪還に重きが置かれるのは現代戦も同じです。だからこそ緩衝地帯が重要なんすけど、そこに政治工作を仕掛けお前の領土じゃないし俺らが好きにしてもいいよね、なんて態度を取ると痛い目をみますので気をつけよう。

米を差し出して懐柔を試みるというのも一つの手ですが、主人公は武力で応じることを決断。実働部隊である堀尾家の戦意が高い以上降伏しようとは言い難いでしょうね。既存の未来チート武器に加え野戦砲と霰弾(作中では榴散弾っぽい描写だが本来は別物)を投入します。しかし大砲無双とはいかず近接戦に持ち込まれ、堀尾家から初めての死人を出してしまいました。防具無しの戦列歩兵が主流だったナポレオン戦争でも大砲による戦果は全体の2割未満とされていますから、イメージほど強くはないのです。主人公にとって喜べない結果になりました。もっとも三倍の敵に打ち勝ち領地への侵入も完全に阻止したのだから大勝利したとも言えます。なので雰囲気は悪くなく、主人公も改善を図りつつもこのことを引き摺るようなことはしません。めでたしめでたしです。