近代知識で農業アドバイザーとなった主人公。なろうっぽくなってきました。これだけで1話分の話が書けそうですが、戦記モノということで1ページで済まされる。
前回出てきたグボン山賊団が襲来。しかしながら村を大人数で襲うのではなく、少人数になったところを少人数で狙うというエコプレイ。賢い。これに対し行政は事実上放置している模様。封建領主が防犯で役に立たないというのは現実でも認識されており、その代わり民間組織に現代では考えられないほどの各種権限を与えていた、というのが近世までのライフスタイルです。生産性が低い時代は自助が基本。なので、自分たちで山賊を討伐しようとなるのは、ごく一般的な発想なのさ。
だがしかし主人公はそれを否定。領主にボボロ肉を献上し、出兵を促すことを提案します。山賊団との全面対決を避けたかった村人たちも同調しますが、全員がそれに納得するはずもなく被害者を含めた一部の村人が独断で逆襲を仕掛けてしまいます。悲しいけど人間は感情の生き物なのよね。
そして流れるように、このことがグボン山賊団頭領に露見。展開の早さが癖になります。ここで攻められたら主人公勢敗北不可避な状況ですが、グボン山賊団は10日後に麦と女を供出すれば許すと持ち掛ける。支配の仕方をわかってますねえ。負い目がある相手を生かしておけば、ずっと搾取できますからね。豪族の始まりなんてこんなもんですし、主人公がいなければ収税官になれたかもしれません。
先の内戦のこともあり、この時点になっても主人公の戦意は低い。しかしリシュに感化され戦うことを決意したとこで第4話終了。また周りに流されております。同じことを繰り返すつもりなのでしょうか。でもこの作者さんならそんな話にはしないはず。筋を通して不幸になったのなら、その次は筋を通して幸せになってもいいじゃない。