主人公が死んだ後の勇者パーティー御一行。回想で敵対勢力の非戦闘員を治療するという行為を嫌悪する元仲間三人。クズゥと言いたくなるところですが(ここから個人の感想が大量に入ります)、これは戦場におけるPTSDの初期症状だったりします。症状が悪化すると敵国だけでなく自国の民間人まで殺すようになるので、利敵行為をしているように見えてしまう主人公が嫌われるのは当然の流れです。倫理観とは心に余裕が無ければ保つことが出来ず、対処法はとにかく共感してあげて仲間が居るという安心感を与えることなんですけど、主人公は真逆のことしてますね…。もちろん取り締まりが必要な場合もあるわけですが、それは嫌われ役である上官や憲兵の仕事であって同じヒエラルキー同士でやってはいけません。きっと戦場の心得を教わらずに実戦へ投入されたのでしょう。教育訓練無しで殺し合いなんてさせちゃダメだねうん。原作ではPTSDのことなど一切書いてないので深読み言われてしまうかもしれません。しかしながら復讐パートにおける勇者を含めた元仲間4人が悪魔でも悪人でもなく普通の人間として描かれているのだから、やはり主人公を殺すまでに至った経緯は誰しもが同じ結果になってしまう事情を抱えていたのではないかと俺氏は考えてしまうのです。
主人公を失った後も苦戦することなくサクっと魔王を討伐。勇者はずっと前から聖女の力が無くても勝てる自信があったのだろうし、主人公の拒絶はそれを否定されたようにも感じちゃったのかなと思ったりする。
その後凱旋した勇者たち。祝いの場で自分の娘である主人公が居ないことを不審に思った両親が勇者に追及を行ってしまいます。気持ちは理解できるんですけどどう考えても悪い結果にしかならないのだから、人目がないとこでやるべきだったでしょうね。主人公から漂うKY感はこの親譲りなんじゃないかなって。これに対し咄嗟の思い付きで主人公が魔王に寝返ったとデマを流すティナ。これがデッドラインになってしまうわけですが、元仲間4人だけでなくこの世界の住人全員が謝罪すべきは主人公ではなく両親に対しであったことに気づかず世界が滅ぶというのは対話の大切さを感じさせます。
その後主人公の両親はデマを間に受けた村人+αに襲われる。普段から嫌われていたのとKYっぽい両親がそのことに気づかなかったのまでは理解できるんですけど、そこから性犯罪と自殺まで行っちゃうのは元仲間4人の心理描写が丁寧なだけに雑かなーっと思いました。まあ主人公はあくまでもサマラなのでこの辺は省略して正解かもしれません。脳内補完で補います。そしていよいよ復讐が始まりそうなところで幕引き。ここから面白くなるところなのに、例のごとく本作品も更新間隔が伸びまくってて悲しい。アプリ漫画の宿命か。