
宇宙海賊に襲われるとこから始まる銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。一瞬タイトル詐欺かと思ってしまうところだ。文明が進歩したのに盗賊みたいな存在が跋扈するという、中央アジアのような世界観。主人公が現代人っぽい感性を持ちつつも戦い慣れしているのはこのためでしょうね。現代日本人ですらソ連崩壊直後のロシア経済水域を荒らし回ったという前科がありますので、人が礼儀正しく生きるためには畏怖すべき存在が必須なのかもしれません。主人公のホームベースである輸送船カナガワは航空機っぽい見た目をした有翼宇宙船。大気圏突入を考慮していれば宇宙船に翼があってもおかしくないんですけど、見た目に反し大気圏内では飛べないらしい。じゃあトラス構造で十分じゃんと思ってたら、宇宙航行と潜水航行は可能というアビスガンダムみてぇなメカでした。この翼は潜るためにあるんですねえ。

主要メンバーは一家で零細運送会社を営む足利ファミリー。主人公と嫁と弟とアンドロイドという他では見られないような構成です。史実の足利将軍家と同じ苗字だが繋がりがあるわけではない模様。この時点ではSFっぽい感じですが、戦い方は手動照準という第二次世界大戦のようなスタイル。現代戦でも敵の電子攻撃によりレーダーが使えないという状況がしばしば発生し、目測での捜索と測距を強いられる場面があるそうです。だから現代よりも遥かに技術力が高そうな宇宙戦艦が弾幕射法を行っても問題ないのだ。

その後異次元宙流なるご都合超現象により戦国時代へ飛ばされます。まあSF部分はおまけみたいなもんだしね?ここから本編がハジマル。宇宙船内の物資と設備だけでも生きていけるけど、引き籠りは精神上よくないという軽い理由で行動を開始します。ここまでお気楽な戦国タイムスリップはなかなかありませんぜ。